ロイヤルコペンハーゲン(Royal Copenhagen)
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数あるヨーロッパ名窯のなかでも、日本で高い人気を誇っているのがロイヤルコペンハーゲン。
ロイヤルコペンハーゲン（Royal Copenhagen）はデンマークの陶磁器ブランドです。
ロイヤル コペンハーゲンは、国王クリスチャン7世と王妃ジュリアン・マリーによる王室の庇護と資金提供のもと、化学者のフランツ・ハインリヒ・ミュラー（Frantz Heinrich Müller, 1732-1820）が、1775年に開窯しました。
そして、直後に同窯を象徴する「ブルーフルーテッド」の製造に着手しています。
1779年には正式に王立磁器製作所として発足。当時はドイツから彫刻師や画工を指導者として招聘していたこともあり、ドイツ・ロココ趣味をまとったザクセン風の上絵付による、華やかな製品が多く生みだされました。
1790年には、ロシヤ女王エカテリーナ2世への贈答品として、世界で最も優美なディナー・サーヴィスとも謳われる「フローラ ダニカ」の製作に乗り出しています。
1800点にもおよぶ史上最大の試みは12年もの歳月を費やしたが、その間に女王が死去したため、これらはデンマーク王室に収められることとなりました。
19世紀にはいると、製作所は戦争による損耗、続くナポレオン戦争の影響を受けて原料不足や工場の被災により停滞。この状況を打開したのが、1821年に芸術監督となったギュスターフ・フリードリヒ・ヘッチュ（Gustav Friedrich Hetsch, 1788-1864）である。ヘッチュはデンマーク王立芸術アカデミーの教師でもあったため、双方の協力を得てくとともに、古代のメディチ花瓶にインスピレーションを得たデザインなどを起こなって改革を施しました。
1848年、デンマークは立憲君主制となったことにより、1868年に製作所はロイヤルの称号を使用する条件で民間へと売却された。1882年に経営者となったフィリップ・ショウ（Philipp Schou, 1838-1922）は、産業と芸術の融合を理想に掲げてその近代化に乗り出す。
そして、1885年にショウが芸術監督として迎え入れたのが建築家のアーノルド・クロー（Arnold Krog, 1856-1931）であり、この二人によって黄金期が築かれることとなります。クローは就任後すぐ、18世紀に製作された「ブルーフルーテッド」の美しさに感銘を受け、その再興に心血を注いだ。こうした過程で、絵師だけでなく窯業による絵付けを志向し、様々な青の諧調を用いた素焼絵画とも呼べる表現を確立します。
それは1889年の北欧博覧会で披露され、翌年のパリ万国博覧会では「コペンハーゲン・スタイル」と称されるほどの高い評価を得るに至りました。
この釉薬は、青の濃淡とともに緑やグレー、茶色など多色の釉下彩を伴うようになり、構図自体も独創的であった。当初、クロー自身がジャポニスムの強い影響を受けていたこともあって、日本美術に取材する面も多くみられたが、次第にデンマークならではのモチーフが増えていくことになります。
さらに、釉下彩の柔らかな色感と相まって、空気感や湿度までも演出する表現へと昇華したのである。こうして、1900年のパリ万国博覧会でクローが発表した「マーガレット・サーヴィス」はグランプリを獲得し、ロイヤル コペンハーゲンが頂点を極めたときでもあります。
その後も、陶芸家のパトリック・ノードストローム（Patrick Nordstrom, 1870-1929）が携わったストーンウェアや、1925年のパリ現代装飾美術産業美術国際博覧会（通称アール・デコ博）に際して、芸術家のトルキルド・オルセン（Thorkild Olsen, 1890-1973）がデザインした〈クラックルウエア〉などによって成功をおさめています。
第二次世界大戦を経て、1950年代より起こった北欧デザインの世界的な流行を追い風に、様々なシリーズを発表して人気を不動のものとしました。
2012年よりフィンランドのフィスカースグループ傘下となって現在に至ります。

ロイヤルコペンハーゲンはその王室御用達のネームバリューと高品質で上品なスタイルから、贈答用に適しています。
ホワイトとブルーを基調としてコレクションは、どれを選んでも幅広い年代に喜ばれます。
コバルトブルーの絵柄が特徴的な「ブルーフルーテッド」は1868年から現在でも制作され、そのハンドペイントの伝統は受け継がれています。
「ブルーフルーテッド」は熟練したぺインターによって当時と変わらない方法で、一筆一筆ハンドペイントで描かれています。
他にも1908年から１枚も欠かさず制作されているイヤープレートが有名です。
ロイヤルコペンハーゲン（Royal Copenhagen）のイヤープレートは、発売以来100年を超え、さまざまなシーンを描き続け、人々の想いを映し出してきました。
ロイヤルコペンハーゲンのマークは王冠と三本の鮮やかなブルーの波型ラインで構成されています。
３本の波線は、デンマークを囲む３つの海峡を現し、その上に王室御用達を意味する王冠が輝くのです。

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